ブースター(導入美容液)って本当は意味なし?
ブースター(導入美容液)という化粧品がありますよね。
一番最初にお肌につけることで、その後に使う化粧水や美容液の浸透をより高めてくれるというアレです。
※ブースト(boost)は、高める、増加させるという意味
なんか呼び方がカタカナでかっこいいし、美容成分がお肌にたくさん入ってくれたら嬉しいですよね。
しかし・・・
僕個人としては、ブースターという化粧品には懐疑的。。。化粧品で、化粧品の浸透を高めるって、ホンマかいな?という思いですね^ ^;
まず、前回の記事でも書きましたが、化粧品は基本的にお肌の一番外側にある「角層」にしか浸透しません。
その角層ですが、厚さは約0.02mmと非常に薄く、これほどの薄さであれば吸収できる水分量は限られてきます。
だから、一番最初のブースターをつけた時点で、お肌には水分が行き渡っている状態。
スポンジを思い出してもらえばわかると思いますが、水分をたくさん吸ったスポンジはもう水を吸収できませんよね?反対に、カラカラのスポンジは水をどんどん吸ってくれます。
つまり、先にブースターなんてつけてしまったら、せっかくのお気に入り化粧水や美容液を後でつけても、お肌に入りにくくなってしまうのです。
「でも、浸透を高めてくれる特殊な成分が入っているから『ブースター』なんて呼び方をするんでしょ?」
浸透を高めてくれる特殊な成分…ちょっと見てみましょうか。
上は、ランキング上位に入っている人気ブースターの成分。
ブースター???パッと見、よくある化粧水ですね^ ^;
これも人気の導入美容液。
水、グリセリン、ペンチレングリコール、ソルビトール、BG…う~ん、基本構成はやっぱりそこらの化粧水と変わりませんね^ ^;
いや…でも、セラミドがいっぱい入っているからなかなか優秀な化粧水じゃないでしょうか。ん???だったら別に、先行で付けなくても普通に化粧水としてつければいいのでは・・・
そうなんですよ。
結局のところ化粧品の販売者が、「これはブースターです」って売れば、ただの化粧水とは別に新たなジャンルがうまれ、新たな収益にもつながるっていうのが本当のところです。
それがたとえ、そこらの化粧水と中身がほとんど一緒でも…。
化粧水の前に化粧水をつけて、浸透力が上がりますかね?僕はやっぱりビミョーだと思います。
化粧品はつけても意味がないという意見について
「化粧品は、つけても肌の奥に浸透しないんだから意味がない」
ネットなんかでは、こういった意見をチラホラ見かけます。
化粧品業界で働く僕としては、すんなりとは飲み込みにくい意見ですが^ ^;
これ、どうなんでしょう。立場的には、「そんなこと言わないで~(泣)」って感じですが、まあそれは置いといて。
ええっとですね、たしかに化粧品は肌の深いところまで浸透させちゃいけないことになっています。
具体的には表皮の角層までで、それより奥の真皮層への浸透など医薬品のような効果を持たせちゃいけないってことになってる。
角層っていうのは、お肌の一番外側にある部分で、厚さは約0.02mm。極薄ですよね^ ^;
しかも角層は、ターンオーバーでせり上がってきた死んだ細胞が積み重なってできています。
つまり私たちは、核のない死んだ細胞にいっしょうけんめい化粧品をつけているということになります。。。
でもですよ?
結局のところ肌の内側なんて誰も見ることができないじゃないですか。
化粧水をつけた肌をパカッと開けて、「おー、浸透してる♪」とか「う~ん、あんまり浸透してないな…」なんて確認はできないわけです。
ですから、思った以上に奥まで入っている可能性もあるし、やっぱり全然浸透していない可能性もある。
だから、つけても意味ないんじゃ…なんて悩むのは、なんかもったいないなーと個人的には思うのです。
それよりも!
美容って、心の働きも大きかったりしますよね。よく、恋愛をしてときめいている女性は美しいなんて聞きませんか?
あれはあながち間違いでもなくて、彼氏のためにきれいでいたいという想いが外見も美しくさせるのは当然なのです。
あとは、ホルモンの関係でお肌がツヤツヤになりますね。
ですから、化粧品のメカニズム云々よりも、お気に入りの化粧品を使ってテンション上がっちゃうとか、この化粧水のボトルがカワイイとかですね…
そういった精神面での作用を期待して化粧品を使うことは意味があるんじゃないかなーと個人的には思うわけです。
まあ、化粧品業界にいる僕ですから、やっぱり使ってほしいというのが本音ですけどね(笑)
スキンケアにおける保湿のカギを握るのがセラミド
「お肌に水分を与えるには、とにかく化粧水よね」
「安い化粧水をバシャバシャつければしっとりうるおう」
これ、半分正解だけど、半分間違いです^ ^;特に保湿という観点からは、間違った考え方です。
化粧水というのは名前の通り、そのほとんどが水でできています。この水の割合が少なくなると乳液やクリームになるのですが、化粧水の場合は水が約8割もの割合を占めてるんです。
化粧水をつけると、たしかにお肌は湿って潤います。でも、ご存知の通り、水というのは蒸発しますよね?
つまり、潤うのは短い時間であって、消えてしまえばまた元通りです。そのため、化粧水をいくらたくさんつけても、それは保湿できたことにはなりません。
なぜなら保湿とは、漢字が示すとおり湿気を保つことだから。
スキンケアにおける保湿というのは、長い時間お肌にうるおいを維持させることなんですね。
では、長時間うるおいを維持させるためにはどうしたらいいのか?
それには、外から水分を与えるんじゃなくて、中から水分を逃がさないという考え方に変える必要があります。
実をいうと、お肌にはもともと水分を逃がさない機能が備わっているんです。それが最近の化粧品でも話題のセラミド。
セラミドは「細胞間脂質」とも呼ばれる物質で、お肌の角質層に存在するものです。しかし、加齢や洗顔によってどんどんと失われてしまうことがわかっています。
このセラミドが不足すると、お肌の水分は逃げてしまい乾燥を引き起こすわけです。
じゃあ、化粧品でセラミドを補えば!
そうです。お肌のバリア機能がアップして、水分を逃がさない強い肌を維持できるんですね。
スキンケアにおける正しい保湿とは、外から水を与えるのではなく、セラミドで水分を蓄えることが正解なのです。